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2014年2月21日金曜日

2013年の活動まとめ


去年は色々詳細にまとめたのですが、今年はさくさく要点だけ。
覚えているものだけを見ていきます。

ちなみに、2012年の活動についてはこちらへ。

同人誌


・『カラフルパッチワーク』
イラスト付きの文芸誌?『カラフルパッチワーク』を作りました。
イラストの参加者は、けーしん、さんざし、大沼もん、おきつぐ、くぼみ。
文章の参加者は、『惜日のアリス』の坂上秋成、歌人の馬場めぐみ、そして末席を汚しつつも自分です。



・『都市のイメージ、イメージの都市』
去年の三月くらいに作りました。
ameroadにて、300円で電子書籍版を叩き売ってます。こちらからどうぞ。
表紙絵は大沼もんです。すっごいいい絵ですよね。

今はもう興味ないこととか、今はもっとうまく言えることとか、今なら別の角度から見ることとか、たくさんあるのでしょうけど、それもこれも重要なアーカイブですし、過去のものだから劣っているというわけでもないのかな、と思います。



読書会、関西クラスタ関連


・Planets8の読書会
開催報告:第7回関西クラスタ読書会「P8読書会」
キャラクターに関する座談会と、國分功一郎さんのインタビューの発表を担当しています。

國分さんのインタビューのレジュメ↓
P8「いま、消費社会批判は可能か―國分功一郎インタビュー」読書会レジュメ #kansai_ct

キャラクターの座談会のレジュメ↓
P8「キャラクター表現の現在―東方・アイマス・MMD以降」読書会レジュメ #kansai_ct
ニコ動の御三家はどこでドラマを演じるか――TRPGとMMD、〈貨幣〉化するキャラクター


・観光学の読書会
【開催報告】関西クラスタ第10回「観光学」読書会 「本を持って旅に出よう」 #kansai_ct
学び始めてすぐだったので、しゃべり下手です。


・関西クラスタレコメンリレー
【関西クラスタレコメンリレー】第二回 田川建三『イエスという男』by 朝永ミルチ
うんこな議論って言葉は、その名も『うんこな議論』(山形浩生訳)という本から来てるんですけど、唐突感ありますよねー。笑
Wikipedia項目もあったりします(On Bullshit)。書評も見つけたので貼っておきます→
あと、山形浩生自身の文章「うんこな議論も使いよう」


・共催『ウェブ社会のゆくえ』読書会
関西クラスタ・GACCOH・文化系トークラジオ Life 共催 /鈴木謙介『ウェブ社会のゆくえ』読書会 in まちライブラリー@大阪府立大学 
100人近く集まったはずです。


・ロシアレストラン「キエフ」でのお食事
ウクライナ・フードツーリズム・ガイド。これみたいに、お月見とか、バーベキューとか、そういう活動もしてるんですよね、そういえば。


・GACCOH小説読書会

扱ったのは、『パイの物語』(映画、ライフ・オブ・パイの原作)、西尾維新『悲鳴伝』、青木淳悟『このあいだ東京でね』、東浩紀『クリュセの魚』野崎まど『know』です。
GACCOH小説読書会のページはこちら

『クリュセの魚』読書会には、表紙を描いてはる大槻香奈さんも来てくれました。
その盛況ぶりは、Togetterか、フェイスブックページの写真でも見られます。あおばさんの写真むーっちゃいいですよねー。


その他


・京大短歌
会報誌『京大短歌』19号が出ました。
「default is default is」という連作、それから「短歌は衰退しました」という評論を書いています。
詳しくはこちら
評論について、コメントがあったので、それに反応したブログ記事はこちら


・MMDに関する文章
MMDerからも少し反響のあった文章。
MMDについて。拡散していくMMDと、MMDの特徴メモ
P8読書会と合わせて書いた文章です。リプライとかコメントとか、結構もらったような気がします。


・「観光の系譜学」
発表しました。
ニーチェ、フーコー、ハッキング辺りの系譜学的な記述と、観光学における観光史の扱いを対照しながら、後者の役に立たなさ、無意味さと同時に、前者の有用性を語るようなものでした。


・ボカロ小説に関するネットニュース
今年は卒論もあったので、ご報告できるクオリティの、顕名の仕事はほとんどないです。
この項目に関して、報告できるようなニュース自体は、一個だけなのですが、当該ニュースはいくつかのサイトからも配信されたようです。

ボカロ批評ライターが選ぶオススメ『ボカロ小説』ベスト5(元記事)
ボカロ批評ライターが選ぶオススメ『ボカロ小説』ベスト5(ニコニコニュース)
「ボカロ批評ライターが選ぶオススメ『ボカロ小説』ベスト5」が掲載(ニュース記事の紹介)
「ボカロ批評ライターが選ぶオススメ『ボカロ小説』ベスト5」が掲載(初音ミクみく、という有名なボカロ系のニュースサイト)

なんか、NAVERのまとめにも使用されていたのですが、タイトルの「批評」という言葉尻にいらっときた人には、むーっちゃ受けが悪かったですね。笑
タイトルはお任せしたので、決まった経緯はよく覚えていないのですが、「元となる曲の歌詞も、一緒に引用しつつ掲載したい」とのことだったので、自然と有名なものが上位にくることになりました。

個人的には、泉和良さんの小説が好きなんですけど、あれ特定の曲を物語にしたやつじゃないんですよね。
カゲロウデイズをトップにしないのも、曲を聴く層が「初音ミクの消失」ほど広くはないことや、ニュース周辺が荒れてしまうことへの警戒(杞憂でしょうけど)もあったような気がします。あんまり、当時のこと覚えてないんですけど。

めんどうなのと、大した仕事してないのとで、ここらで終えることにしておきます。
遅くなりましたが、今年もよろしくお願いします。






2013年1月19日土曜日

P8「キャラクター表現の現在―東方・アイマス・MMD以降」読書会レジュメ #kansai_ct

『P8』――僕たちは〈夜の世界〉を生きている

座談会「キャラクター表現の現在――東方・アイマス・MMD以降」(p.140-149)
参加者:石岡良治、黒瀬陽平、坂上秋成、村上裕一(、宇野常寛)


自分と『Vocalo Critique』については、「2012年活動まとめ」というエントリ参照。
ボカロ、アイマス、東方――いわゆるニコ動の御三家、その全てを受容するMMD。座談会参加者もボカクリ読め!というわけではありませんが、参加者のように頭はよくなくても、コンテンツにかけた時間とコンテンツ愛だけは勝っている発表者です。


○本文中から、いくつかのトピックをピックアップ

座談会の内容はそんなに……。面白くも新しくもない。自分の見通せなさをコンテンツのせいにしている…というのは意地の悪い見方かな。理系の文系批判/文系の理系批判と同じにおいが。
とはいえ、いくつかポイントだけピックアップする。

・MMDの変化
印象で語られてて、割りとイライラしたので、実際に調べました。
ここに書いていたものは、下記のエントリに移植しました。まとめだけ残します。

※ツールとしていじって楽しんでる/手探り(「MMD体育祭」開催はその両面の表れでは)。8月が転換点?
モデルの拡大の前線には、単純なもの(デフォルメされたテト、たこルカ、ののワさん、ゆっくりなどの御三家)が常にいた。
他の御三家と本格的に交わり、受け皿となるのは、09年2月辺り(丁度解説動画投稿から一年)以降。
※MMDのアップデートや改変との関係は、見る専的には不明。

詳しくは、別のエントリに加筆の上書きました!
「MMDについて。拡散していくMMDと、MMDの特徴メモ」


『ゴーストの条件』村上裕一
本書は三部に分けられる。
①一部では、「分析的」に〈ゴースト〉を構成しようとしている。いかに、キャラが立ち上がるか、素朴な想定からの構成。(そのことは、確定記述が取り上げられていることからもわかる。イメージは、マルクス『資本論』第一巻の貨幣分析)
②二部では、直接〈ゴースト〉について触れられ、生成環境との相互関係の中、論じられる。キャラ立ちしたキャラクターのある得意な形態=〈ゴースト〉と考えてよい。その例が、やる夫であり、初音ミクである、と。詳しくは、本書を嫁。
③三部では、〈水子〉について触れられる。基本的には単なる(アツいけど)コンテンツ批評化している部分。〈水子〉や〈人形〉がキーワードであり、〈ゴースト〉へと繋がっていくモチーフであると、村上さんは考えているらしい。多分、この記述の混乱は、〈人形〉〈水子〉についての話(これらはそのままでは〈ゴースト〉ではない)と〈ゴースト〉とが、半ば混同されていることに起因する。〈人形〉や〈水子〉というモチーフは、〈ゴースト〉の寓話として読めば、一部~三部は見通しよく読めるはず。
宣伝乙↑

・宗教とキャラクターのアナロジー
仏閣と仏像との比喩はあんまりうまくないよね。
なぜキャラクターに対して、宗教のアナロジーが頻繁に用いられるかについては、「かんなぎ」を考えると案外わかりよい。神自体がキャラクター化されている作品。人に覚えられ、人に祈りを捧げられ、人口に膾炙することが、神としての存在感/力に繋がっていく。
他の例は、例えばSkyrimのメリディア神。「世界の暗き隅々の不浄を灼き払いなさい。我が名においてその剣を振るえば、我が力を増すことにも繋がります」

・情報環境内部での、消費感情
「情報環境的に、現在は『萌え』よりも『推す』ことが面白くて、ロマンチックだと気付いてしまった。」(p.145)宇野
→アイドル詳しい人、なんか言って。

・ボカロ小説、ボカロとメディアミックス
割りと的はずれな議論の感。



↑言い古されたことを、何を今更……という心の声。

詳しくは、『ボカロクリティーク』vol.3「ボーカロイド現象の行方――共同体としての初音ミクの拡大、あるいはネットワーク環境に祝福された『祭り』の境界」を参照。『ゴーストの条件』が半ば下敷きの議論。
vol.5の「60年後のボーカロイドを夢見て」でも、その延長の議論をしている(vol.5はとらのあなで在庫あるかも? 公式アカウントのツイートなどにリンクあり)。
基本的には、ボカロ小説は、他ジャンルとの〈交渉〉、現実との〈交渉〉という問題として思考するべきだと考えている。

自意識キャンセラーとしてのボーカロイドについても、手を替え品を替え、ボカクリの中で色んな人が論じている。
一番直感的にわかりやすい説明は、紀貫之が『土佐日記』を、女性が描いたものとして、女性に仮託して、率直素朴な感情表現を書き付けたということを想起することでしょうか。


○御三家と〈ドミナントなデータベース〉――主に声とTRPGの観点から

以下のものは、「ニコ動の御三家はどこでドラマを演じるのか――TRPGとMMD、〈貨幣〉化するキャラクター」というエントリで詳細に論じてあります。最初の部分だけ残しておきます。

・御三家について、前史。

『ゲンロンエトセトラ#5』「東方再考論」松本直之
面白いが目新しい論点はなかった。整理に主眼のある論考という印象。
原作(一次創作)における図像の揺れなどの指摘もあったけれど、問題はそこか?という感じがした。詳しくは読んでね。

TRPGとは(ニコ百)。 TRPGリプレイ動画=動画でキャラクター(PL)が、ゲーム内キャラクターを演じることになる。
基本的には、東方とアイマスが大活躍(東方卓遊戯タグと、卓ゲM@sterタグ)。ボカロは? あるいは、東方とアイマスの傾向の違いは?

着目理由:キャラクターに、(卓ゲーム内の)キャラを演じさせることの中に、どのようにキャラクターを考えているかが現れているのでは、と。また、声の付け方・有無、キャラの幅が実に多様で題材にしやすい。

※卓ゲーム内のキャラクターをPC、PCを演じる人をPLとか言ったりする。やるゲームによって、呼び方は色々あったりする(よね?)

③〈ドミナントなデータベース〉とは。
『VocaloCritique』の、主にvol.3で述べていること。ここでは、「聖典」がない。あったとしても、相対的なもので、受け手も作り手も、これを無視することができる、とかいう感じの話。
ここでいってる、〈データベース〉感を知りたいなら、名著・東浩紀『動物化するポストモダン』(講談社現代新書)『反=アニメ批評2012autumn』の関西クラスタ座談会を。宮台真司✕東浩紀の対談~『動物化するポストモダンを読む』~なんてのもあります。

(以下略)


=======その他のメモ======



関連するその他。